デリーからタージマハールがあるアグラにはバスで行った。
3~4時間かかる道中、砂漠の中にぽつんとある町にバスが停まり休憩に降りたとき、
その町で私は摩訶不思議な指輪を見つけた。
小豆ほどの大きさの綺麗なピンクのスタールビーの周囲を、
小粒のビーズ状のトルコ石がぐるりと囲んでいる。しかも台はゴールド。
まるで夜店で売っているような下品な指輪だったけど、
何故か私は惹きつけられた。
スタールビーは私の見る限りリンデンではなく本物(のよう、、)だった。
普通ルビーの取り巻きはダイヤで、柔らかいトルコ石で取り巻いているものなど
見たことはなかった。
祭りの夜店でカーバイドの灯りに照らされるのが相応しいような淫靡さ。。
身を落としても高貴さは失わないルビーのプライド。。
「センス」だとか「好み」だとかを超越した磁力。。
これほど惹きつけられた指輪だったのに、私はこの指輪の入手は断念した。
出発の合図が気になったし、仏頂面の店主との値段の交渉も面倒だったし。。
波乱を呼び込むような胸騒ぎもするし。。
それから私は旅の間、頭の片隅にあの下品なスタールビーの指輪が頭の隅にいつもあって、
入手しなかったことを悔やみながらインドの旅を続けた。
先々で宝飾店をみてはあの指輪を探したけれど見つからなくて、
急いで仕立ててくれるという店を見つけ、こういう指輪を作ってと交渉したけれど、
スタールビーの取り巻きにトルコ石なんて!と呆れられ、実現しなかった。
インドへの旅行に先立って、インド通の知人は私に「ここはインドだから。。」と
呪文のように呟きなさいと教えてくれた。
なんもありのインドなのだから、、と。。
そのインド人にも断られるなんて!と笑ってしまったっけ。。
このガラスの器を骨董屋のウインドウ越しに見つけた瞬間、
私はあのインドの指輪のスタールビーとトルコ石の色目を思い出し入手した。
このガラスには、あのインドの指輪ほどの磁力は感じられない。
だけど、大正の頃にこのガラスを愛でた人の笑顔が見える。
作った人の挑戦と意気込みが分かる。
高揚した時代のエネルギーが伝わってくる。
そういう意味で傍に置きたいガラスだ。

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- 2012/07/10(火) 01:01:12|
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15年ぶりの京都。
前回は友人に誘われて1泊強行軍の旅だった。
午後に京都に着いて、夕方から先斗町で呑んで食べて、
翌日昼過ぎには京都を発つという、
それだけの旅だった。
それでも私たちは、京都を発つ前のほんのちょっとだけ街歩きを楽しんだのだけど、
そこで私は忘れられない発見をしたのだった。
ブリキの電燈の傘が店頭に積まれているお店。
私はなんだか興奮して、全部を買い占めようよ!と
友人にまくしたてたのだけれど、
友人には理解されず、ただ呆れた顔をされ、そんなモノより早く駅に行かなきゃと
私を責めたてるのだった。
「一人で来て、ゆっくり買ったらどう?」
と引導を渡されてしまい、
結局、私の世紀の発見ブツとは、今回15年経ってようやく再会したのだ。
「京都ホテルの前の大きな道路を渡って、本能寺の脇の商店街にあるお店」
覚えていた通りに、京都ホテル(今はオークラ)からスタートして、御池通りを渡り、
本能寺脇の商店街にあの時のままのお店を発見し、店頭のブリキの傘と再会した時には
まだあってくれて、ありがとう!と涙がでそうだった。
京電商会さん 15年前は確か数種類あったはずだったブリキの傘は、
今1種だけになったのが残念だったけれど、
そのほかに琺瑯とガラスの傘も購入して大満足。



朝のドラマカーネーションの背景を見ると、昔の照明器具がいろいろ登場して面白い。
先日も、3番目の白いガラスの傘がちゃんと登場して、
「あっ、これこれ!」と小躍りしてしまった。
京電商会の奥さん曰く、この白いガラス製の傘は、もう製造していないそうで、
店頭にあるだけなんだそう。貴重品だ。
ところで、上2つの傘はモールドとして使用するのが目的。
大きすぎず、小さくもなく、丁度な大きさで、
ガラスを貼っても重た過ぎない大きさ。
それに申し訳ないくらいにお安かった。
ランプ作るのが楽しみだ。
包んでくれた京都新聞も、私には記念すべきお土産だ。
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- 2011/11/24(木) 00:12:00|
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このところふさぎがちな私を心配する大阪の叔母に呼ばれ、
顔を見せてきた。
久しぶりの旅行が嬉しくて、叔母には内緒の前日1泊は、たまたま黒門市場の近くにとった。
普段はできないことをしようと、夜中に徘徊し、ねぎ焼き土手焼き串揚げかすうどんなどを食べ歩き、
市場を彷徨い、心斎橋やヨーロッパ通りやあたりの繁華街をうろつき、
キャッチのお兄ちゃんについていきお酒を飲んで(大丈夫!ぼられなかった)
タイマッサージで体をほぐし、、
翌朝は黒門市場の小さなサンドウィッチ屋さんにて、卵焼きを挟んだサンドウィッチを朝食に食べた。
その味は遠い昔、母がいつも日曜の朝に食べさせてくれた懐かしい味に近く、
お店のおばちゃんもなんだか母に似ていて、
前日からの風来坊を咎められているような気がして、
そそくさと叔母の家に向かった。
叔母の家に2泊し、その後学芸大に住む娘のところに寄って掃除。
学芸大まで来たら
グラスポッパーギャラリーに寄らなくちゃ!
と立ち寄ったら、
ボリシリケイトのケンタローさんの個展だった。
眺めていたら、20年くらい前に初めてアメリカの作家さんの
ボロシリケイトガラスを見たときの衝撃を思い出した。
その頃、あのあまりに巨大なビー玉(だと私は思っていた)の類は珍しくて、
ガラスの中に閉じ込められた宇宙をじっと見ていると、意識が遠のくような不思議な感覚になって、
お値段を見ると20万とかざらで、さらに意識は遠のくのだった。
その時代、酸素バーナーだけで60万くらいするよと云われ、
ボロシリケイトは「見てるだけ~」の世界だった。。。
ケンタローさんやギャラリーのオーナーさんと、
じっくりガラスについて話す機会を得て
旅の終わりを締めくくった。

旅の終わりに選んだのは、「風」というタイトルのカエルちゃん。
家になんか帰りたくない私が、無事帰る の願を込めたカエルちゃんを手にするのも、
ちょっと可笑しいと思ったけれど、私は風 だから。
いつも漂っている私が、同じ所に何十年も住み続け、仕事漬けの日々。
これじゃおかしくもなるわい。
たまには漂白の風に吹かれ、そしてかえるがいい ってことだな。
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- 2011/11/16(水) 18:15:34|
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嫁入り道具だった、北海道民芸家具の洋服箪笥がどうにも邪魔でしょうがない。
さりとて捨てられず、、、
考えたあげぐ、
下部分の引き出し2段はキャスターを付け、天板を補強し、塗装してTV台にすることに。。
上部観音開き部分は塗装しなおし、背を低く使うことにした。
色はポップに塗りたい。
で、こつこつとやすりがけをしていたのだけれど、
東京でこんな取っ手をみたら、俄然作業が捗る捗る。
早く仕上げてこの取っ手に付け替えたいけど、
待ちきれず、事務所の棚の取っ手を代えてみたら、
クールで素敵。
ガラスの花や陶器の取っ手もいっぱいあったけど、
四角四面なわてくしには、やっぱキューブでしょ(笑)


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- 2011/02/27(日) 12:02:56|
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先日娘と東京をうろうろして見つけたランプのベース。
キューブを重ねたランプのベースはよく見かけるけど、
ブルーのは見たことがなかったので、即買い。
お店のおじさんは商売上手だ。
「お目が高いね!」
この一言で、お財布の紐が緩むのよ。
というわけで、それほどでもないブルーの花瓶も一緒に送ってもらうことにした。
今日届いて並べてみた。
このベースに合うランプの傘ってどんなだろう。
しばし飾って、アイディアが沸くのを待とうとするか。。


ブログのタイトルに「とか。。」と付け足してみた。
言いたいことは、ガラスに限らずにいろいろあるのでね。。
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- 2011/02/24(木) 11:07:26|
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